オタク・Overall
どうもこんにちは、ひなのです。
今回はKEN THE 390の『Overall feat. R-指定, 般若』という楽曲について解説していきたいと思います。まずはこちらをお聞きください。
ウッワ、ヤッバ!!
(宮川大輔)
はい、客演が豪華すぎますね。言わずと知れたZeebraがオーガナイザーを務めるフリースタイルダンジョンの新旧ラスボスを客演に招いているのは激アツです。
実は、この曲は
「MCバトルを見るのは好きだけど音源はあんまり聴いたことがないなぁ」
と嘆くバトルヘッズや、これからhiphopについてdigしようとしている人にはおすすめの超入門曲になっています。
では、この楽曲のリリックについて解説していきます。
まずはKEN THE 390のバースです。
高らかに宣言し 重なる経験値
新たな天変地異 見せてく鮮明に
言葉とメッセージ 焼き付ける永遠に
合わせろレイテンシ やるなら徹底的
からのいらないぜ参加賞 自力で I gotta go 音の上のマラソン
右手掴むMicrophone 進化遂げるまたFlow
韻ヤバいのかまそう 時代に抗おう
非常に分かりやすく語尾で韻を踏んでいます。
また、青文字の部分では「aaa」、橙色の文字の部分では「i(n)a」で細かく頭韻を踏んでいます。こういった細かい韻が楽曲の聴き心地の良さを支えています。
リリック帳を積み上げなきゃ見えない山の頂上
だけどここは物語の中でいまだ序章
何度だって這い上がるぜ現場のライブこそが正義 目指すとこは海南みたいにまた常勝
高める独創性 合わせて没個性 なら送る処方箋 いま速報で
俺はただやってきたしつこくAll day ほら結果なら一目瞭然
とてもスムーズに韻を踏んでいます。
ちなみに、"海南みたいにまた常勝"は漫画「SLUM DUNK」に登場する学校の海南大附属高校のことを指しているようです。筆者はスラムダンクを読んだこと無いので海南高校がどういう高校なのかイマイチ知りません(多分強豪校)。気になる方はスラムダンクも読んでみてください。
限界超え行けるとこまで見据える先で I need that
能書きより一層本能的な Need that , need that , need that
誰にも邪魔させないまま進める足で I need that
年齢や階級 境界は全部Break all Let it go , yeah
Overall 正面から真っ向勝負
Overall 塗り替える刹那
Overall My life 反省無い
Overall overall
Hookです。日本語ラップを齧っている人ならすぐにピンと来たと思いますが、このHookにはこの楽曲を歌っているラッパーたちの楽曲名が仕込まれています。
まずは真っ向勝負
バトルビートとしてもお馴染みのKEN THE 390の
『真っ向勝負 feat. MC☆ニガリ a.k.a 赤い稲妻,KOPERU,CHICO CARLITO,晋平太』です。
こちらもKEN THE 390の代表曲として名前が挙がるとてもカッコイイ曲です。
ぜひ聴いてください。
次に刹那
客演として登場しているR-指定がDJ松永と結成したCreepy Nutsの『刹那』です。
UMBを三連覇して名実ともに最強のフリースタイラーとなり、Creepy Nutsとしてメジャーデビューを果たしたR-指定の王者ゆえの重圧に抗おうとする闘志を描いた曲です。
とても深く、R-指定にしか書けないリリックが特徴的です。
ぜひ聴いてください。
最後にMy life
実はこれは正確には曲名ではなくKEN THE 390の2ndアルバムの名前です。
ちなみに、My lifeと聞くと同名のZORNの楽曲を思い浮かべる人が多いと思います。
ZORNのリアルな暮らしを描いた楽曲で、リリックがとても心にしみます。
ぜひ聴いてください。
それではリリックの解説を続けます。次はR-指定のバースです。
やたら平凡な街 from da 072
君がドヤ顔で踏んだ韻は俺の轍
やめな生存者無し この先はDead man walking
劣化版コピー 迷わずに頸動脈を切る
またも抵抗虚しく 消える線香花火
My Microphone is 大木 君、猫じゃらし
ちゃんとリコメンドしといてくれオメエのママに
俺の舌先は最高級の電動アンマ機
喧嘩っ早い輩にぶっといカンナビス
年功序列や しがらみには目の敵
されて劣等感増し さらにベロ回し
やがて天文学的確率で勝ち上がったWanna be
Haterの野次なんざ便所の落書き
煽られるほどに逆にテンション上がり
全知全能の神気取りの成功者達も こんなベタな歌詞で軽くベソかかしてやら
0
4
5
レ
ペ
ゼ
ン
横
浜
‼️
失礼しました、Macchoが出てしましました。
OZROSAURUSのMacchoがリリックによく登場させる"045"という数字、
これがMacchoのレペゼンする横浜の市外局番であるというのはみなさんご存じだと思います。
では、このバース内に登場する"072"という数字は何だと思いますか?
(リリックが書かれた背景を知らないとオ〇ニーと勘違いしそうですよね。筆者はしてました。)
最後に般若のバースです。
頭のおかしな奴らの先頭
芸術と逆行 生か死か
真っ向勝負唱えるKEN THEにな
RHYMEを全うする俺炎柱
Badsじゃなく燃やす心とバース
こんな表現すらダッセーこの頃な
狭え業界からすりゃ俺ヨソ者だ
鏡写るイカれたお前そのものだ
パイオツ揉み 謝罪会見
I’m sorry 破壊再生
Rからすりゃヤバいパイセン
ずっと1人要らねえダサいマイメン
TOKONA BUDDA 雷 PAGER
DM毎日 メンヘラ姉ちゃん
HIPHOPシーンとかどーでもいいや
俺を殺せるのは俺しかねーや
バイブス溢れるフロウが特徴的で尚且つしっかり韻も踏んだ般若のベテランらしいバースです。また、先ほど解説したKEN THE 390の『真っ向勝負』という曲名をリリックの中に用いています。
そして、下の部分は般若の『最ッ低のMC』からセルフサンプリングしています。
TOKONA BUDDA 雷 PAGER
UMB2019の決勝戦でもバトルビートとして使われた言わずと知れた名曲です。
ぜひ聴いてください。
いかがでしたか?
分かりやすいライミングとサンプリングが特徴のこの曲を足掛かりにもっと深く日本語ラップをdigして楽しんでください。
では、また。